2026年最新取材:週末を極上の冒険に変える四国周遊記——プロが明かす「走るべき道」と捨てるべき欲
四国 2 泊 3 日 モデル コース レンタカーの旅を計画するとき、多くの人が最初に直面するのは「4県すべてを平等に回ろうとして自滅する」という罠だ。地図の上では瀬戸内海を挟んでコンパクトにまとまって見えるこの島だが、高速道路を一歩外れれば、そこには日本屈指の険しい四国山地が牙を剥く。東京や大阪の感覚でナビをセットしても、曲がりくねった峠道は容赦なく移動時間を削り取っていく。限られた72時間で四国の本当の息づかいを体感するには、思い切った取捨選択とドライビングプランの組み立てが欠かせない。
本州から雄大な瀬戸大橋を渡ってアクセスするにせよ、空港のカウンターで車のキーを受け取るにせよ、理想的な四国 2 泊 3 日 モデル コース レンタカーの成否は「どこでアクセルを緩め、何を潔く諦めるか」にかかっている。2026年の今、ハイブリッド車の普及や高速道路のスマートIC網の整備によってドライブ旅の快適性は飛躍的に上がった。それでも、窓を全開にした瞬間に飛び込んでくる潮風の生々しさや、山あいの集落から立ち上る薪の匂いは、ハンドルを握る旅人だけが出会える特権だ。
全県制覇という幻想を捨てる——北から南へ抜ける「逆コの字」黄金ルート
四国ビギナーがやりがちな最大のミスは、3日間で香川・徳島・高知・愛媛の県庁所在地を一周しようとすることだ。それをやると、旅の半分以上をアスファルトの上で過ごす羽目になる。車窓から景色を眺めて終わり、名物はサービスエリアで食べるだけ——そんな味気ない旅を避けるために選ぶべきは、高松(香川)から入り、山を抜けて高知へ下り、最後は松山(愛媛)へと抜ける「逆コの字」型のワンウェイルート、あるいは高松空港発着の三角周遊だ。
このルートの美点は、四国が持つ「二面性」を強烈にコントラストとして味わえる点にある。穏やかな多島美が広がる瀬戸内エリアから、秘境感漂う深い渓谷を抜け、視界が一気に開ける雄大な太平洋へ。気候も、道行く人々の気質も、驚くほど劇的に移り変わっていく。乗り捨て料金(ワンウェイチャージ)が多少発生したとしても、浮いた半日分の時間はそれ以上の感動をもたらしてくれる。
DAY 1:午前7時の讃岐うどんと、霧深き祖谷渓の吊り橋
朝一番のフライトや新幹線で高松へ降り立ったら、まずはレンタカー会社の営業所へ急ぐ。最初の目的地は観光地ではなく、早朝から営業している田園地帯の製麺所だ。まだ薄暗い空気の中、茹でたての麺に生卵を落とし、だし醤油を回しかけて一気にすする。小麦の力強い香りとイリコの効いただしの余韻を舌に残したまま、車を南へと走らせる。
高松自動車道から高知自動車道へ、さらに国道32号線へとハンドルを切ると、景色は一変する。両脇に切り立つ崖とエメラルドグリーンの吉野川。目指すは日本三大秘境のひとつ、徳島県の祖谷(いや)渓だ。国指定の重要有形民俗文化財である「祖谷のかずら橋」に足を乗せると、足元の隙間から数十メートル下の清流が覗き、思わず足がすくむ。山深い隠れ里の澄んだ空気を胸いっぱいに吸い込み、夕暮れ前には高知道を南下して高知市内へと滑り込む。
DAY 2:黒潮香るひろめ市場から、四国山地を越えて道後温泉の湯煙へ
高知の朝は早い。日曜日に重なるなら迷わず「日曜市」へ、平日なら桂浜で荒々しい太平洋の白波を眺めることから始めたい。昼食はもちろん、屋台村の熱気が渦巻く「ひろめ市場」一択だ。目の前で豪快な藁の炎に包まれるカツオのタタキ。まだ温かい分厚い身に、たっぷりのニンニクスライスと粗塩を乗せて口に運ぶ。これまでのカツオの概念が音を立てて崩れ去る瞬間だ。ドライバーはぐっと酒を我慢し、冷たい仁淀茶で喉を潤す。
午後は高知ICから再び山越えのルートへ挑む。国道33号線を走るルートは、近年「仁淀ブルー」として知られる透明無比な水系を横目に進む風光明媚な道だが、運転に集中したいなら松山自動車道を経由するのが賢明だ。夕方、道後温泉に到着する頃には心地よい疲労感が身体を包んでいるはずだ。保存修理工事を完全に終え、本来の優美な姿を取り戻した「道後温泉本館」。湯上がりに浴衣で歩く温泉街の石畳は、長距離ドライブの緊張を優しく解きほぐしてくれる。
DAY 3:瀬戸内ブルーのしまなみ海道か、松山レトロか——贅沢な分岐点
最終日は、帰りのフライトや電車の時間に合わせて選べる2つの選択肢がある。ひとつは、松山市内で夏目漱石ゆかりの松山城をロープウェイで攻め、名物の「宇和島風鯛めし」——生の鯛の切り身を特製のタレと卵に絡めて熱々のご飯に乗せるスタイル——を味わう、ゆったりとした文化探訪の道。
もうひとつは、車を北東へ走らせて今治へと向かい、世界的なサイクリングの聖地でもある「しまなみ海道」の橋をいくつか渡る絶景ドライブだ。来島海峡大橋の展望台から見下ろす潮流の渦と、点在する島々。海の上を飛ぶように架けられた人工美と自然の調和は圧巻だ。瀬戸内の柑橘をたっぷり使ったソフトクリームを頬張りながら、旅の終わりを惜しむようにアクセルを踏み込む。
2026年のレンタカー事情:ETC周遊パスの損益分岐点と山道バッテリー管理
2026年現在の四国ドライブにおいて、事前に計算しておくべきは高速道路のコストと車種選びだ。NEXCO西日本が販売する訪日・国内旅行者向けの周遊パス(四国ドライブパスなど)は、今回の逆コの字ルートのように広範囲を長距離移動する場合、ほぼ確実に元が取れる。ETCカードへの事前登録を忘れて一般料金で通過してしまうと、数千円単位で損をすることになる。
また、近年のレンタカーはハイブリッドやEVが標準化しつつあるが、四国の山岳地帯を走る際は航続可能距離の表示を過信してはならない。長い登り坂が続く祖谷や四国カルスト方面ではバッテリーの消費スピードが跳ね上がる。逆に下り坂では回生ブレーキによって驚くほど電力が回復するが、山間部に入ると急速充電器の設置スポットは限られる。残量には常に3割以上の余裕を持たせてルートを組むのが鉄則だ。
旅を台無しにしないための鉄則:日没の罠とローカル給油所事情
都会の生活に慣れたドライバーが見落としがちなのが、「地方の夕暮れの早さ」と「ガソリンスタンドの営業時間」だ。山に囲まれた四国の渓谷沿いは、平野部よりも1時間以上早く薄暗くなる。街灯のない狭い県道での夜間走行は、急な動物の飛び出しや落石のリスクを伴うため、観光は原則として日没までに切り上げるスケジュールを組みたい。
さらに重要なのが給油のタイミングだ。山間部の個人経営スタンドは、平日でも夕方18時にはシャッターを下ろし、日曜・祝日は休業というケースが珍しくない。高速道路のサービスエリアも、四国ではガソリンスタンドの間隔が100キロ近く離れている区間がある。「まだ半分あるから大丈夫」という油断が、携帯の電波も届かない峠道での立ち往生を招く。幹線道路沿いで見かけた大手チェーン店で、こまめに満タンにしておく慎重さこそが、スマートな大人の四国旅を完結させる鍵となる。 (出典: 四国 2 泊 3 日 モデル コース レンタカー(Yahoo!ニュース))